南吉生誕100年-リーフレット-15
・・ですが今日は「新美南吉と刈谷の会」さんの、第278回定例会の様子を紹介しますが、なかなか面白い展開となりました。
本日の水野先生の作品鑑賞は、幼年童話から「ひとつの火」「去年の木」の比較から始まる、南吉作品の深層を追求するお話でした。
ついで2つの詩「春風」と「弟」では、南吉の家族に目を向けましたが、特に「春風」では4歳で死別した母「りゑ」さんと夭死した兄の正八さんが、不思議かつ幻想的な登場をしますので、おのずから継母である「志ん」さんとの対比にも話が及んできます。
ところで、今日はここで二つの偶然が起こりました。一つは代表の酒井豊さんが、1月20日から中日新聞夕刊に掲載されている、梅原猛氏の「新美南吉の童話」シリーズの記事を持ってきたことです。
その梅原猛氏の記事は、自身も生母が亡くなり伯父夫婦に預けられた状況と、同じく知多弁のなかで育った境遇に、南吉に共感する思いを述べているのですが、偶然にも記事の中に「春風」の詩が登場してくるのです。
そしてそこへ遅れて入って来られたのが、「
南吉生誕100年-36」<南吉の舞台劇と朗読会>にて紹介しました、安城出身の女優・石川恵深(えみ)さんなのでした。
ということで、急遽酒井さんから石川さんにその新聞があてがわれ、時ならぬ新聞記事の「朗読会」が始まったのでした。もちろん読み終えた石川さんには惜しみない拍手が送られ、偶然でしたが内容の濃い時間を過ごすこと出来たのでした。
水野先生の鑑賞作品の選択、酒井さんの日頃の資料収集、石川さんの登場と、役者が揃うとこういう偶然を引き起こすのですね。(笑)