このラジオがトヨタ自動車で作られたことの証となるアルミ銘版の写真です。左上に「丸の中にトヨタ」と描かれた当時のロゴが見られ、「國民型二号A受信機」とあります。型式は「K-2」、製造番号は「00300」で、最下段でも「トヨタ自動車工業株式會社」の社名を確認できます。
ちなみにこの「國民型二号A受信機」というのは、トヨタの製品名ではなく、当時の電気機械統制会が中心となって作られた戦後のラジオの仕様に沿って作られた規格の名称です。くわしくは「日本ラジオ博物館」HPの
こちらを参照下さい。これによれば国民型受信機は1~6号まで存在し、「國民型二号A受信機」だけでも、クラリオン、アリア、ゼネラル、アポロ、テレビアン等のブランドがあり、この中の「アポロ」がトヨタ自動車工業製であったわけです。
残念なことに「アポロ」というブランドは、消えてしまったのか初めから公に表示しなかったのか、筐体のどこにもみられません。上記ホームページには製造会社が(現在)なぜかトヨタ自動車工業㈱
「刈谷南工場」となっていますが、そのリンクからジャンプした
このページではトヨタ自動車工業(株)
「刈谷東工場」となっていて、HPでの製番が「4069」のように読み取れ、資料館の展示品より後発の製品と想像されます。そのせいか先行して作られた資料館のラジオの真空管には、見たところ「トヨタ」マークは入っていないようです。
しかし、このトヨタ自動車工業㈱
「刈谷東工場」というのは、実際には存在しなかったので
元ページの「刈谷南工場」の間違いかと思われますが、HP上にある自動車部品メーカ 「デンソー」というのは
「刈谷北工場」にあたります。ではHPの記述は単に記述間違いなのか、それとも
「刈谷北工場」 (現、デンソー)でもラジオは作られていたのでしょうか。(つづく)