080913 グーグーだって猫である-大島弓子の世界-2

f0005116_23292376.jpg(写真は映画の予告チラシから) さて映画では大島サンの住む、吉祥寺をあますところなく紹介しています。私は知らなかったのですが、井の頭公園のゾウのはな子(作品ではハナコ)、いつも行列の出来る佐藤精肉店のメンチカツ、商店の寄せ集まったハーモニカ横町、熱心な大島ファンなら、漫画でのエピソードを思い出しながら見ていくことでしょう。こんなところにも一ファンとしての、犬童監督の視点が見え隠れします。「森三中」演じるベテランアシスタントは、時として暗くなりそうな画面を明るくします。

アシスタントで重要なのは「のだめ」で有名な上野樹里さん(役名ナオミ)です。熱心な一大島ファンからアシスタントの座をやっと掴んだ彼女は、路上ライブシンガーの恋人マモル(ナント平川地一丁目の林直次郎クンです)との関係を通じて、四十路の大島サンに不思議な青年・青自(セイジ/加瀬亮さん)を結婚相手として紹介したりします。その部分は原作にはない映画向けのようですが、大島サンの引っ込みがちな恋愛歴や、その後の卵巣腫瘍の摘出手術に関しても、アシスタント達とともに特にナオミは深く関わっています。この二人のラブシーン(かな?)は見ものでして、加瀬さん、小泉さんの演技がいいですね。小泉さんは四十路の大島像を映画全般通じおさえめに演じています。(たぶん本物に近いのでは?)

f0005116_7511962.jpgファンとして興味深いのは全集刊行の記念パーティでしょう。「まことちゃん」の作者、楳図かずおさんが特別出演することもさることながら、大島サンのお母さん役で松原智恵子さんが出演します。(よくは知りませんがお父さんは亡くなっているようです) 大島サンの家族が出てくるのも、原作が自伝的漫画ゆえなのでしょう。母は娘の結婚を心配しておりましたね。自伝的といえば中学生時代なのか、栃木の田舎の文房具やさんで漫画を描くためのペンやペン軸、ケント紙を買い求める少女時代の大島サンが出て来ます。

はっきり言ってこの映画は、大島ファンのための映画です。なかなかメディアに登場しない大島サンの、猫のサバやグーグーに対する思い、恋愛観、病気に苦悩する姿、アシスタントとのふれあいや別れ、時にはパパラッチ的なファンも登場させながら彼女の日常生活を、井の頭公園と吉祥寺の街並みをバックに、時には明るく時には寂しく紡いで見せてくれます。そして時々画面に登場する原画はファンサービスなのでしょう。(原作はもちろん、「四月怪談」も読まないとね)
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by ttru_yama | 2008-09-18 23:25 | 大島弓子
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