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071208 フェルメール「牛乳を注ぐ女」への道-3

071208 フェルメール「牛乳を注ぐ女」への道-3_f0005116_21135923.jpgさて、国立新美術館に戻ってみると、すでにチケット売り場の前には人が並んでいました。ただ確かに人は多いのですが、今回の感想として多いながらも、これ以上の混みようを経験している私にとっては、「ムチャ混み」のレベルではなかったようです。

今回の展覧会のタイトルは、『フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展』で、もちろんフェルメールは有名ですが、今回フェルメール作品1点に依存したような一面があり、逆にファン層が限られてしまったのかもしれません。そういう意味では、巨匠の作品を並べたてた美術展の方がより混む様に思えるのかもしれません。でも2000年(4/4~7/2)の『フェルメールとその時代展』(大阪市立美術館)の混みようは異常でしたが。


071208 フェルメール「牛乳を注ぐ女」への道-3_f0005116_21175257.jpgなどと書きましたが、フェルメール人気はもちろん高く、10時過ぎの入場時から作品前には人が滞り、前列はほとんど動かない状態でした。言い忘れましたが、それにしても国立新美術館の建物のデザインとサイズの偉容には圧倒されます。このキャパシティ(写真は外観の一部)の中で日展も開催され、まだまだ余裕で他の展示も行われています。もちろんこの建物は展示だけ行っているのではなく、国内外の展覧会に関する図録,記録等の情報センターという役割を担っていくわけです。


071208 フェルメール「牛乳を注ぐ女」への道-3_f0005116_221350.jpg図録にも書かれていましたが、会場入口の案内記事には「牛乳を注ぐ女」が「台所の使用人」という題名でも紹介されていました。絵画はその時々でいろんな題名がつけられますが、この「台所の使用人」という題名は初めて聞いたことです。そのほか17、8世紀の競売時には「牛乳を注ぐ使用人」、「牛乳を注ぐ娘」と呼ばれた事もあったようです。

さて展示のほうは「黄金時代」の風俗画から始まります。1568年から1648年までの、宗教戦争の側面を持つ80年戦争を経て、オランダはスペインから独立をはたし共和国となります。戦争のさなか1602年に東インド会社が設立され、ライバルであるイギリス、ポルトガルとのアジア交易に打ち勝ったオランダは、世界に冠たる貿易国となります。そして17世紀のオランダ絵画は、この豊かになった市民の購買力の下に発展していくわけです。
by ttru_yama | 2007-12-24 22:42 | ギャラリー
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