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0910-「20世紀少年」の町-248 (南吉生誕102年-103)

帰ってきた「ででむし詩碑」-20
南吉市民映画・「琥珀のような空」

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南吉先生も触れたかもしれないという、安城高女にあったグランドピアノを、教え子のひ孫である高校の女生徒が弾くというストーリーの市民映画、「琥珀のような空」の上映会が、2/22の安城マツバホールを皮切りに始まりました。(左・リーフレット、右・プログラム写真)

地元映画ということで、安城・半田・刈谷・知立・岡崎・豊田・蒲郡・豊橋等でロケが行われました。物語は安城高校の女生徒「渚」が、著名なピアノコンクールで緊張のあまりピアノが弾けなくなり、以後ピアノをやめてしまうところから始まります。

市民映画というだけに、ほとんどの出演者が初演技だそうですが、それでもそれなりのクオリティの映画になったのは、加藤行延監督の温かくねばりづよい指導と分かりやすい映像表現、ピアノを主体とした本多春道プロデューサーの楽曲によるものでしょう。

0910-「20世紀少年」の町-248 (南吉生誕102年-103)_f0005116_282866.jpgさて肝心のピアノの話です。前々々回の、帰ってきた「ででむし詩碑」-17にて、周ピアノやグランドピアノの話をしましたが、今回映画の主軸となるのは、講堂に置かれていたグランドピアノです。(そのあたりを映画プログラム内の写真と記述を参照させて頂きます)

それによれば同ピアノはロシア製で、ドイツ人ベッカーが経営する会社のピアノだそうです。このピアノがいかに安城高女へやってきたのかは不明ですが、昭和30年代に行われた校舎の建て替えに伴い、職員に分配されていましたが年月とともに痛み、納屋に保存されていたと言います。

その話が「新美南吉に親しむ会」にもたらされたのは、南吉生誕100年の頃と思われますが、安城市議会に保存修復が提案され、以後予算通過となって引き取られ、栃木県真岡市のピアノ工房で現在修復中だそうです。

ということで実際に映画の中でも、かなり傷んだこのピアノが解体されてゆく映像が映し出されます。上映に先立って挨拶した神谷市長の話によれば、H29年にピアノのお披露目演奏会を予定しているとのことで、安城にまた一つ、南吉先生を偲ぶ思い出の一品が甦ることになります。
by ttru_yama | 2015-02-24 10:00 | 新美南吉
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